リード
香港出身アーティスト Kasing Lung(龍家昇)によるキャラクター「THE MONSTERS」の主役・ラブブ(LABUBU)。2015年に登場し、2019年からPOP MARTによる本格展開で世界的に人気が拡大しました。直近では英国で行列・混雑が相次ぎ、一時的に店頭販売が停止されるほどの熱狂に。今回は、Brandwatchのソーシャルデータを用いて、ラブブの“どこが、どう拡散したのか”を定量・定性の両面から整理します。
本記事の要点
- 投稿量は2025年5月に爆発:2024/01/01–2025/09/08の総投稿約62万件、ユニークオーサー約25.5万人。
- 拡散のドライバーは5つ:①インフルエンサー ②OOTD(バッグチャーム) ③ガチャ的“開封体験” ④希少性(行列・抽選)⑤可愛さの多様化。
- 実務に効くKPI化:要因ごとに“測り方”を定義し、モニタリングの運用設計に落とし込む。
1. ラブブとは(おさらい)
ラブブ(LABUBU)は、Kasing Lung(龍家昇)が生んだ「THE MONSTERS」シリーズの主役で、長い耳といたずら顔が特徴の“妖精(エルフ)系”マスコット。2015年に登場し、2019年から中国のPOP MARTが本格展開。以降、ブラインドボックス形式(中身は開封まで不明)でシリーズが拡大し、世界的なコレクション文化を形成しています。英国では行列・混雑の過熱が報道され、一部で店頭販売が一時停止されるなど、社会現象的な盛り上がりも見られました。(画像はWikipediaより引用)

2. データと方法
- 分析期間:2024年1月1日〜2025年9月8日
- 総投稿量:約62万件(ユニークオーサー:約25.5万人)
- チャネル構成:X(約98%・約60万件)、その他(約1万件)の内訳はInstagram 26%、続いてBlog、Forum など
- 注記(重要):BrandwatchはXのデータを全量取得できる一方、TikTok等は取得制約があります。そのためX偏重の見え方になっている可能性がありますことをご了承ください。
- 検索語・除外例(サンプル):
- 検索語:ラブブ/LABUBU/らぶぶ など表記ゆれを包括
- 除外:明らかなBOT類(手動確認)
- 検索語:ラブブ/LABUBU/らぶぶ など表記ゆれを包括
3. SNS投稿の概況(いつ・どれくらい)
- 期間全体で約62万件/約25.5万人と大規模。
- チャネルは**Xが約98%**を占め、残りをInstagram、Blog、Forum等が分け合う構造。
- 時系列の特徴:2025年5月以降に投稿が急増。
コンテンツソース別(X含む)
コンテンツソース別(X除く)
4. 投稿の“初出”はいつか?
Brandwatch上のデータでは2019年11月ごろから投稿が散見されます。POP MARTによる商業展開開始が2019年である点とも時期的に整合的です(“提携・展開の正式開始月”そのものを示すものではありませんが、消費者言及が顕在化し始めたタイミングとして自然です)。
5. なぜ急に流行したのか?
Brandwatchデータの傾向から、拡散ドライバーは以下の5つに整理できます。
5-1. インフルエンサー要素
- 2024年、著名アーティストの露出を契機に認知が一気に加速。(例:LISA/BLACKPINK)
5-2. OOTD(バッグチャーム)要素
- ハイブランドのバッグに合わせる“チャーム文化”が若年層を中心に定着。肌色(ブルベ/イエベ)とカラー展開の相性が良い投稿も散見。
5-3. ガチャ(ブラインドボックス)の“開封体験”
- 中身が見えない“当たり体験”は、ショート動画と相性が良く、UGCを量産。
5-4. 希少性(行列・抽選・販売停止)
- 希少性がニュース化→二次拡散を誘発。
5-5. “可愛さ”の多様化
- 賛否両論がコンテンツ化され、可視化された“議論”が継続的にUGCを生む。
- 顔にシール、よだれかけ等のカスタム投稿も確認。
6. マーケティング活用のヒント
- 要因別カテゴリ運用
- 例:「開封体験」「OOTD/バッグ」「希少性(行列・抽選)」「カスタム」「注意喚起」などのカテゴリでモニタリング。
- 例:「開封体験」「OOTD/バッグ」「希少性(行列・抽選)」「カスタム」「注意喚起」などのカテゴリでモニタリング。
- 共起キーワードのカテゴリ化
- 限定名/シークレット名、ブランド名、地域名、イベント名をカテゴリに設定してピーク検知に活用。
- 限定名/シークレット名、ブランド名、地域名、イベント名をカテゴリに設定してピーク検知に活用。
- 国・言語別のSOV比較
- 日本/英語圏/中華圏でピーク時期と要因語がズレるケースを可視化。
- 日本/英語圏/中華圏でピーク時期と要因語がズレるケースを可視化。
- コンテンツ企画への転用
- 「開封の瞬間」「コーデ提案」「カスタム術」「正規品の見分け方」など、ユーザーが投稿したくなる導線を用意。
- 「開封の瞬間」「コーデ提案」「カスタム術」「正規品の見分け方」など、ユーザーが投稿したくなる導線を用意。
- リスク&レピュテーション管理
行列や販売方式の運用は、告知文言と安全・公平性の説明をセットで。炎上防止の観点で定点観測。
7. ラブブの人気が急速に落ちた心理的要因の考察
- 希少性の希薄化
- 供給が増えて“レア感”が薄れると、見せびらかし価値が低下すると考えられます。
- “偽物”の氾濫による信頼性の崩壊
- 模造品の大量流通は、ブランドの信頼性を損ないます。コレクターは真正性が揺らぐと所有満足が低下しますし、一般消費者は“危ないかも”という感覚を抱くことで購買意欲が落ちます。
- “行列・混乱”のニュース化 → 祝祭からストレスへ
- 英国での混雑・販売一時停止は初期には取り残される不安を強めましたが、繰り返されると入手コストの高さ(時間・労力)が可視化され、もういいやという気持ちになっていきます。店舗販売の一時停止報道も“楽しさ”より“面倒”の印象を増幅させます。
- あまりに流行りすぎた”ことへの逆張り
- SNS・メディアなどへの過剰な露出で“驚き”が減ります。さらに同調回避(人と被るのを嫌う)や、ミーム化による“ダサい/痛い”という風潮が高まると、社会的な評価を気にして離脱が進みます。
8. まとめ
- ラブブは2019年に話題が立ち上がり、2025年5月ごろから爆発的に増加。
- 拡散の鍵は、インフルエンサー/OOTD文化/ブラインド“開封”体験/希少性/可愛さの多様化が同時多発的に作用したこと。
SNSは一部の声で偏りもありますが、要因をKPI化し継続モニタリングすることで、商品企画・販促・レピュテーション対策まで幅広く活かせます。
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